ゴドノフ東京 丸ビル店(東京)
- 小松めぐみ
- 2018年8月6日
- 読了時間: 3分
更新日:2019年2月11日
東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング5F ☎03-5224-6558
営業時間 ランチ11:00〜14:30LO、ティータイム15:00〜17:00、ディナー17:00〜22:30LO無休 コース予算:昼¥1,200〜、夜¥3,480〜(共に税別)
http://www.world-liquor-importers.co.jp/godunov/tokyo/
*2018年3月29日発売「週刊新潮」13号掲載

日本初上陸の老舗ロシア料理店
名物はフルーティーなボルシチ
2018年3月12日に日本初上陸を果たした「ゴドノフ東京」のモスクワ本店は、帝政ロシア時代から続く皇帝御用達の老舗。「赤の広場」に面した本店は雰囲気も重厚な高級店だが、東京店は丸ビルの5階にあり、扉を全開にした開放的な造り。全62席の店内の奥の窓には、東京駅の赤レンガの駅舎が広がっている。
「東京店を開業したのは、当店の運営会社の社長が、本店のボルシチの美味しさに感動したのがきっかけです。価格も本店よりリーズナブルですので、本場のロシア料理を気軽にお楽しみください。乾杯はウォッカでどうぞ」
そう言う角田健次氏(37)は、東京店の開業にあたり、本店で研修を受けたシェフ。本場仕込みのロシア料理は、アラカルトでもコースでも味わうことができ、一番人気は名物料理を一通り楽しめる「モスクワコース」(3480円、税別)だ。
最初の3品は、日本でこそ馴染みがないが、ロシアでは定番の品々。「サラダオリビエ」はロシア風ポテトサラダ、「ペリメーリ」は水餃子、「ハラジェツ」は煮凝りだ。シェフいわく、
「『サラダオリビエ』はロシアでは最もポピュラーなサラダ。ポテト、リンゴ、ベーコン、キュウリ、ピクルスなど、8種の食材を細く切り、サワークリームで和えたものです」
色からは想像し難いが、味はやさしくまろやか。
水餃子は、中国のそれと似ているが、付け合わせはなんとザワークラウトだ。
「水餃子は中国とほぼ一緒です。ザワークラウトは、ロシアではハチミツを使うため、少し甘いのが特徴。ロシア料理には、ドイツや中国などの周辺国の食文化の影響が垣間見えます」
煮凝りのハラジェツは、本場では肉で作ることが多いが、東京店では蟹とアボカドを用い、ヘルシー志向の日本人向けにアレンジ。
そして4品目に登場するのが「ボルシチ」。柔らかな牛タンの煮込みとビーツやキャベツ、人参などが入ったスープは、爽やかでフルーティーな風味が持ち味だ。
「ボルシチは店ごとに作り方が異なりますが、『ゴドノフ』では隠し味にフランボワーズのピュレを使います」
次の「ピロシキ」は自家製の牛肉とタマネギの具をパン生地で球形に包み、提供する直前に焼き上げたもの。日本では揚げたピロシキが一般的だが、本場にはこのように焼いただけのものもあるのだとか。
「細切り牛フィレ肉とタマネギの煮込み『ビーフストロガノフ』も、日本ではデミグラスソースで作るものが主流ですが、本場ではサワークリームとマスタードで作ります。ここ東京では、夜は本場式、昼は日本式の『ビーフストロガノフ』をお出ししています」
ディナーの〆に味わう「ビーフストロガノフ」は、サワークリームとマスタードのバランスが絶妙である。

©MEGUMI KOMATSU
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