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しげ亭(神楽坂)

  • 執筆者の写真: 小松めぐみ
    小松めぐみ
  • 2019年6月25日
  • 読了時間: 3分

更新日:2019年7月21日

東京都新宿区神楽坂4-2-27 ☎︎080-7053-0077

営業時間18:00~23:00 不定休 コース予算:¥8,000~(税別)

*2019年6月13日「週刊新潮」23号掲載



和食と洋食が自然に共存

路地の気取らぬ小料理店


 東京・神楽坂の目抜き通りから伸びる、路地の一角。大人ひとりがやっと通れる細い路地に昨年末開業した「しげ亭」は、和食中心の小料理店だ。

 入口に小さく「SHIGE tei」と書かれた一軒家の中は、オープンキッチンを囲むカウンターに8席。カラフルな絵が飾られているためか、店内にはビストロのような雰囲気も漂う。

「料理に洋食を取り入れているため、料理と空間にギャップが生まれないよう、NYのアーティストの絵やタイルを配しました。これがないと普通の割烹なんです」

 かく言う店主の長野成宏氏(38)が修業したジャンルは、鉄板焼き、スペイン料理、鮨、日本料理とバラエティ豊か。現在は“自分が家で食べたいと思う料理を選び抜いた食材で作っている”そうで、黒板の単品メニューの8割はオーソドックスな和食。残りの2割はフライなどの洋食や、ちょっと洋風の野菜料理だ。たとえば春の「蒸しアスパラガス黄身酢タルタル」は、タルタルソースのベースをマヨネーズではなく黄身酢にすることで油脂分を除き、さっぱり仕上げたもの。長野氏いわく、野菜料理は最初の方に出すことが多いため、“食べ疲れない”ように意識しているのだとか。

「まずは食材を組み合わせて生まれる掛け算の美味しさを作り、そこから引き算してバランスを取るのが私のやり方。食べてほしい料理がたくさんあるので、一品で満足されないためにも“引き算”しています」

 一方、お造りや炭火焼きなどの和食は、長野氏が独立前に勤めた割烹「ほそ川」譲りの正統派。香り高い一番出汁のお椀は、しみじみと心に染み入る味わいだ。

料理をおまかせ(8000円〜/税別、以下同)で頼めば、和食の後に洋食が出ることもあるが、違和感なく楽しめるのは味のトーンが一定しているため。聞けば、洋風の料理にも日本の調味料を使っているという。

「たとえば、夏は万願寺唐辛子の炭火焼きに南仏の“ブランダード”をアレンジしたペーストを詰めてお出ししますが、これには白味噌を使います。ブランダードは本来干し鱈で作るのですが、明石の鯛と白味噌で鯛味噌感覚に仕立てます」

 おすすめの1万円のおまかせ(前日までに要予約)は約13品。後半の定番「ハーブ牛ヒレカツ(サンド)」は、ジューシーな赤身の旨みと衣の食感を、意外なほど軽やかに楽しめる逸品だ。

「揚物ですが、脂の少ないヒレ肉を選んでいるので、油脂量はステーキと同じぐらい。なるべく重くならないように、揚げ油には米油と太白胡麻油を使い、パンに塗るバターはカルピスバターを使っています」

 さらに口直しの小鉢、食事、2種のデザートを堪能すればさすがに満腹だが、重たさはなく、むしろ元気が満ちて軽快な気分。食材の質の良さを実感する。




1 Comment


hyoshihara
May 02, 2022

 初めてお便りします。橋岡久太郎様から6月30日の晩餐に紹介いただいたものです。ワインをお送りしたいのですが何時配送をお願いすればよいか教えて下さい。Ch.コスディストゥルネル1983x2、ムルソー・クロ・ド・バール 2008 コント・ラフォン x2 計4本を予定しています。

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