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いち太(表参道)

  • 執筆者の写真: 小松めぐみ
    小松めぐみ
  • 2020年1月2日
  • 読了時間: 3分

東京都港区南青山3-4-6 AOYAMA346 101

☎03-6455-4023(予約受付10:00〜15:00)

営業時間:17:30〜21:00LO

定休日:日曜、祝日 コース予算:¥20,000(税サ別)




秋の名物は秋刀魚の焼き物

手打ちそばも好評の青山の隠れ家


 青山通りの裏手の緑豊かな複合商業施設は、都会のオアシスのようなたたずまい。その1階に暖簾を掲げる「いち太」は、旬の魚を中心としたおまかせコースが人気の日本料理店だ。

 約10品のコース(2万円、税別)は、10種類以上の旬の魚介がさまざまな料理法で登場し、手打ちそばと甘味で締めるスタイル。昨今は日本料理でも肉料理を使う傾向があるが、店主の佐藤太一氏(39)は流行に左右されることなく、”自分が食べたいと思う料理を作る”

料理人だ。

 そもそも佐藤氏が日本料理の道に進んだのは、20代前半で留学したのがきっかけ。海外で改めて日本料理の良さに気づいたのだとか。

「本当の日本料理を知ってほしいという思いがありますので、うちは外国人のお客様も歓迎です」

 そんな佐藤氏の思いが伝わってか、白木のカウンターと個室2室から成る店内には、ほぼ毎日、外国人客が来店。また、海外から修業にやって来る料理人も絶えず、現在は男女各1名が修業中だ。

秋は鯖や秋刀魚、冬は蟹や白子と、季節の素材を生かして作る料理は正統派。一方、コースの始めに揚げ物を出すなど、既存の様式にとらわれない部分もある。

「最初にビールやシャンパンを飲む方が多いので、それに合わせて揚げ物をお出ししているんです」

 たとえば初秋のある日のコースは、先付の次に太刀魚の唐揚げが登場。薄い衣をまとった太刀魚はしっとりと柔らかく、まろやかなゴマだれとビールの相性も抜群だ。

 飯蒸しを挟んで供されるお椀の主役は、クエと松茸。

 利尻昆布と血合い抜きの本枯節でとった出汁は、日本人の心の琴線にふれる上品な味わいである。

 コースの後半はお造り2〜3種と焼き物、強肴、煮物が出る構成で、秋の名物「秋刀魚の塩焼き」は毎年、大好評(提供時期は要問い合わせ)。というのも、炭火でパリッと焼かれた秋刀魚は小骨が一本もなく、ワタと脂の旨味が行き渡った逸品なのだ。いったん身を開いて骨を外し、再びワタと脂を戻して焼くのは、佐藤氏の師匠である『銀座矢部』の矢部久雄氏が考案した方法だという。

「当店ではワタが苦手な方にも楽しんでいただけるように、ワタの中のクセが出やすい部分は取り除いています。秋刀魚は食べ応えがあるので、これをコースに組み込む期間は、野菜だけの料理も挟むようにしているんですよ。『物足りない』とは言われたくないですが、食後に苦しくなることがないようにしたいので」

 コースの〆の自家製粉のしなやかな十割そばは、通年の名物。毎日石臼で挽く茨城県産の常陸秋そばは香り高く、とろりとしたそば湯も味わい豊か。海外にも誇れる日本の味が満載だ。




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