Opus(銀座)
- 小松めぐみ
- 2020年1月2日
- 読了時間: 3分
東京都中央区銀座8-9-4 ザ ロイヤルパークキャンバス銀座8 14F
☎03-6263-8432 営業時間 7:00〜9:30最終入店、11:30〜14:30LO、
17:30〜22:00LO(コースは21:00LO、日曜日は20:00LO) 定休日:無休 予算:ディナーコース¥6,800(税込)

銀座のホテルの最上階で楽しむ
「HIMONO」と白ワイン
訪日外国人客の増加に伴い、都心はホテルの開業ラッシュ。銀座には今年3月、「ザ ロイヤルパーク キャンバス 銀座8」がオープンした。その14階にある「オーパス」は、朝から利用できるオールデイダイニング。80席の店内にはオープンキッチンの活気が伝わり、ホテルとしては意外なほど砕けた雰囲気だ。そもそもここは「ライフスタイルホテル」と呼ばれる新興カテゴリーのホテルで、「オーパス」をプロデュースしたのは飲食業界のヒットメーカー、トランジットジェネラルオフィス。
メニューはモダンフレンチの旗手、生井祐介氏(44)が監修しており、ディナータイムに楽しめるのは厳選した魚介や野菜を特製の窯で焼き上げた「モダンシーフードグリル」。名物はアラカルトでもコース(6800円/税込、以下同)でも味わえる「HIMONO」だ。生井氏が干物にスポットを当てたのは、海外のゲストを意識した時、
「日本らしさがあり、見た目もインパクトがあるため」。
アルファベットで表記しているのは、フレンチの技が生かされているためだとか。
HIMONOは「サバ」(3000円)と「キンメ」(3800円)の2種類。大きな長崎産のサバは、脂ののった旨みの中に洋風な味わいがあり、オリーブオイルと香草のソースをつけるとさらに洋風度が増す。
「サバは焼く前にニンニクで下味を入れています。当店のHIMONOはハーブやスパイスを効かせた塩水でマリネするのが特徴で、これはフランス料理のテクニックです」
なるほどと納得しながらもう一種類の「キンメ」を味わえば、こちらはより旨みに凝縮感があり、添えられたカシューナッツと味噌入りのロメスコソースが白ワインを呼ぶ。アシスタントマネージャーの大畑優孝氏(23)いわく、料理はお酒が進むように敢えて濃いめの味付けにしているそうで、ワインは白を中心に3000円台から約35種類。お薦めを尋ねれば、
「金目鯛は甘みのあるお魚ですので、キリリとした酸味ですっきり飲めるポルトガルの白ワイン『アロ』(4500円)をどうぞ」
と、ソツなく薦めてくれる。
HIMONO以外の料理の一番人気は、石川県の高農園から届く季節野菜を生かした「窯焼き野菜のホットサラダ」(1900円)。バルサミコソースの甘酸っぱさとドライオリーブオイルのほろ苦い旨みが、野菜の香りや甘みを引き立てる逸品だ。
前菜やデザートの中には、生井氏が2017年に開業した1ツ星フレンチ「オード」の料理を連想させる、謎めいた料理も紛れている。たとえば「黒いはんぺん」(1200円)は、イカ墨とバターを練りこんだ団子形のはんぺんを黒いソースで覆ったもの。定番のデザート「グレー」は、黒ごま入りのグレーのメレンゲを重ねた、現代アートのような一品だ。味わいはどちらも想像以上に親しみやすく、見た目とのギャップも魅力的。
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