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とり口(五反田)

  • 執筆者の写真: 小松めぐみ
    小松めぐみ
  • 2018年8月11日
  • 読了時間: 3分

更新日:2018年8月23日

東京都品川区西五反田2-28-10

☎03-6421-7254

営業時間 17:00〜21:30最終入店 

定休日:日曜日、祝日

コース予算:¥5,800〜(税別)

http://www.toriguchi.jp

*2018年5月17日発売「週刊新潮」19号掲載



ワインにも合う一品料理と

土佐備長炭で焼く焼鳥10本


 2018年3月下旬に五反田にオープンした「とり口」は、おまかせコース一本のモダンな焼鳥店。路地に面した扉を開けると、カウンター18席と半個室4席から成る店内には、仕事帰りと思しき人々の陽気な賑わいが満ちている。

 開業早々に巷の注目を集めている理由は、経歴の確かな料理人と今をときめく飲食企業がタッグを組んでいるため。焼き手の西口和樹氏(45)は中目黒の行列の絶えない焼鳥店「鳥よし」出身、運営会社のJOは五反田や恵比寿で人気飲食店を手掛ける企業だ。

 コースは焼鳥10本と小鉢8品、麺、デザートの20品で5800円(税別)。席に着くとほどなく出される「とりがゆ」は、上質な鶏の旨みに期待が高まる逸品だ。

「当店では鳥取県産大山鶏と滋賀県産淡海地鶏の2種の銘柄鶏を使用しています。どちらもほどよい旨みと柔らかさが特長でして、おかゆはいずれかの鶏を丸ごと1羽使ってとった出汁で炊いています」

 と西口氏。

 続いて山椒風味の「アスパラのおひたし」や「金柑とリコッタチーズの白和え」といった小鉢が数品登場した後、焼鳥と小鉢が交互に続く趣向。

 焼鳥の1串目「かしわ」はふっくらとジューシーでタレに負けない旨みがあり、「ささみ」や「ハツ」はしっとり柔らか。部位ごとに異なる味わいに唸りつつ、焼き場で楽しげに串を返す西口氏をよく見れば、常に強火の状態を保つように気を配っているようだ。

「焼鳥は近火の強火で焼くことが大切。炭は長年研究した末、火力の高い土佐備長炭に行き着きました」

「つくね」や「ぼんじり」は程よく弾力があり、「やげん軟骨」はしっとりして歯切れのよさが絶妙。「手羽先」は骨を抜いて食べやすくするなど、ひと串ごとに丁寧な工夫が施されているためか、おなじみの部位も新鮮な印象だ。

「ひと串ひと串に愛情を注ぐのは当たり前のこと。飲食人としての考え方や姿勢はすべて修業先の『鳥よし』で学びました」

 柔らかな笑顔の下に秘められた西口氏の情熱は、焼鳥だけでなく他の料理にも注がれており、焼鳥の合間には独自の洒落た品々が登場。半熟ポーチドエッグとカラスミをバゲットにのせて味わう「シャツを着た卵とからすみ」や「大山鶏のフリット」は、ワインとの相性も抜群だ。

 ドリンクメニューには、系列店の純米酒専門店「それがし」やワインレストラン「LOVAT」が厳選した純米酒やワインも色々。お酒も料理も満喫した後には、〆の定番「とりといりこだしの煮麺」のスープがじわりと染みわたる。

 デザートの「季節のかき氷」は、若い女性客にも大好評。「とり口」という店名に込められた、焼鳥の“間口”を広げたいという想いが伝わってくる。




©MEGUMI KOMATSU

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