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ケンゾーエステイトワイナリー 六本木ヒルズ店(六本木)

  • 執筆者の写真: 小松めぐみ
    小松めぐみ
  • 2018年4月21日
  • 読了時間: 3分

更新日:2018年8月25日

東京都港区六本木6-12-4 六本木ヒルズレジデンスD棟1F・2F 

☎︎03-3408-1215

営業時間 1F/11:00~28:00、2F17:00~23:00 定休日:1Fは無休、2Fは日曜 

http://tr.kenzoestate.jp/r_hills/      *2015年「週刊新潮」21号掲載




希代の“ゲーム&ワインメーカー”が手掛けるレストラン


 テレビゲームとワイン。まるで関連のない2つのものを交差させた男がいる。

 ゲームメーカー「カプコン」を一代で築き上げた辻本憲三氏(74)は、米・カルフォルニア州ナパ・ヴァレーのワイナリー経営者でもある。その「ケンゾーエステイト」がブドウの栽培から醸造、瓶詰めまでを行う全7銘柄は「奇跡のワイン」と評されるほどの高品質で、人気のあまりなかなか入手できない。

 が、日本国内に4軒あるショップ併設の直営レストランなら、存分に味わえる。ということで、六本木ヒルズ店を訪れた。

 5種のワインのテイスティングセット(4750円)と、全5品の「メニュー・エレガンス」(8640円)を注文すると、ソムリエの木村崇人氏(28)が「結」というロゼワインを持ってきてくれた。

「当店には和食と洋食の料理人が常駐しており、コースでは交互に料理をお出しします。ケンゾーエステイトのブドウ畑は火山岩の多い土壌のため、ワインにミネラル分が多く含まれ、出汁や醤油、みりんを使ったお料理と合うんですよ」

「結」に合わせた最初の料理は「無花果胡麻豆腐」。出汁をかけてわさびをのせた胡麻豆腐の中に、刻んだドライイチヂクが入っている。なるほど、その甘酸っぱいコクが、ロゼワインによく合う。

 次に、白ワイン「あさつゆ」とともに前菜が登場した。マッシュルーム入り洋風茶碗蒸しの上に、温泉玉子とオマール海老のフリットがのっている。

 金沢勇介シェフ(36)にょれば、

「当店では、ワインの中にある要素を料理に取り入れることで、相性を高めるようにしています。たとえば『あさつゆ』には、ほろ苦いアーモンドのタッチがあるので、アーモンドの粉を混ぜた衣をオマール海老につけて揚げました」

 さすがはワイナリーが手掛けるだけあって、マリアージュにこだわっている。  

 3品目は「真魚鰹と梨の挟み焼き」で、赤ワインの「紫鈴」と「明日香」が出された。

「魚には白ワインを合わせるのが一般的ですが、当店では赤ワインとの相性を愉しんでいただくために、醤油風味のタレの粘性を高め、濃厚な味わいにしています。さらに、同じ赤ワインでも、魚との相性は銘柄によって異なるので、2種類をご用意しました。

 たしかに、「紫鈴」はふくよかな果実味が魚とタレの旨味に寄り添い、「明日香」はやさしく広がる芳醇さで濃厚な一品を包みこんでゆく。

 続いて、メインの仔羊のローストにも赤ワインの「藍」が合わせられたが、こちらはフルーティーながら重みがあるため、ミディアムレアに焼いた仔羊特有のクセのある旨味にも合う。

 最後は旬の栗ごはんで幕を閉じるコースは、何だか“クリア”するのが躊躇われるほどであった。



©MEGUMI KOMATSU

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