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レストラン アロム(神楽坂)

  • 執筆者の写真: 小松めぐみ
    小松めぐみ
  • 2018年8月12日
  • 読了時間: 3分

更新日:2018年8月22日

東京都新宿区袋町3 神楽坂センタービル1F   ☎03-6228-1449

営業時間11:30〜13:00LO、17:30〜25:30LO ※20:00以降アラカルトのみ。 無休  予算:ランチ¥5,000〜、ディナー¥6,800(共に税サ別) 

https://www.cavedecomma.com 

*2018年5月31日発売「週刊新潮」21号掲載


自社輸入ワインとフランス料理

ほどよい距離感のサービスに酔う


 神楽坂は毘沙門天の裏手に2018年3月16日に開業した「レストランアロム」は、ワイン専門輸入会社が手掛けるフランス料理店。店内に入ると、左手に7席のカウンター席が現れ、奥のダイニングにはテーブル席が26席。壁側のガラス張りのウォークイン・ワインカーヴは入口から奥まで30㍍に及び、独自開発のリーファーコンテナで輸入されたワインが約400種類揃う。

「当店ではカーブのワインの小売価格に10%(1万円以下のワインは一律1000円)を追加でお支払いいただけば、レストランでお飲みいただけます。ソムリエがお料理と相性の良いワインをグラスでご提供するペアリングも、3杯3900円からご用意しています」

 と説明する支配人の岡部一己氏(47)は、名サービスマンとして知られる業界有名人。岡部氏と副支配人兼ソムリエの糸澤晃氏(49)、シェフの永瀬友晴氏(29)はかつての職場仲間ゆえ、オープンしたてでも息はぴったりだ。

「仏語で『香り』を意味する店名の『アロム』にちなみ、料理には食材の香りを生かすようにしています。香りは糸澤ソムリエと相談して決めることもあります」

 と、永瀬シェフ。



 料理は20時まではコース、20時以降はアラカルトで提供され、早い時間は8品9000円(税サ別)のコースが人気。先付感覚の小さな料理から始まるコースの3品目は、名物の「13種の野菜のテリーヌ」だ。オレンジオイルでマリネして香りをつけた人参など、11種類の野菜を帆立貝出汁のゼリーでよせ、ポロ葱とキャベツで巻いたテリーヌは、食感の変化に富み、爽やかなドレッシングの酸味が食欲を刺激する。次の「ペリゴール産フォアグラのソテー」を挟んで登場する「ダブルコンソメ」は、鶏と牛からとったコンソメの芳醇な香りと、キレのある深い旨味が持ち味。コンソメスープは最近出す店が少ないが、永瀬シェフはこうしたクラシックなフランス料理が好きなのだとか。

「でもバターやクリームは控えめにし、食べ疲れないように心がけています」

 と言う通り、後に続くメイン料理2品を堪能しても重たさは皆無。「天草の真鯛のソテー」に添えられたブルーチーズのクリームソースは、コクがあるのに軽い口当たりだ。聞けば、蕪のピュレにブルーチーズを加えて作っているという。糸澤氏が合わせて勧めるのは、

「ブルゴーニュのピノ・ノワールの中でも優しく仄かな酸味がある『ショレー・レ・ボーヌ』」

 真鯛と共に味わえば、赤ワインの甘みがブルーチーズのソースのまろやかさを引き立て、至福を感じる。

「次はフランス産仔羊のローストです。草を食むよりミルクを飲んでいる期間の方が長いので肉質も白っぽいんですよ」

 岡部支配人の丁寧な説明と温かな笑顔が、美食の幸福感を盛り上げてくれる。


©MEGUMI KOMATSU

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