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レストラン ラフィナージュ(銀座)

  • 執筆者の写真: 小松めぐみ
    小松めぐみ
  • 2018年11月4日
  • 読了時間: 3分

更新日:2019年1月7日

東京都中央区銀座5-9-16 GINZA-A5 2F

☎︎03-6274-6541

営業時間:12:00~14:00 LO、18:00~20:00LO

定休日:月曜、第3火曜

コース予算:ランチ¥7,000〜、ディナー¥18,000〜(税・サービス料別) 



人気シェフの新店で楽しむ

“半歩進んだ”フランス料理


 東京・銀座の「レストランラフィナージュ」は、10月8日にオープンしたばかりだが、早くも予約が困難になりそうな話題のレストラン。店主の高良康之氏(51)は前職の「銀座レカン」6代目料理長時代に名声を馳せたシェフとあり、食通がこぞって注目しているのだ。

約1年の準備期間を経て誕生した新店は、新築ビルの2階を占有し、ゆったりした空間に20席の贅沢な造り。カウンターではオープンキッチンの高良氏と直接話しができるのが楽しく、

「店名はフランス語で『熟成』という意味。料理やサービス、お客様とのご縁をゆっくりと熟成させてゆきたいと思って名付けました」

 と聞けば、シェフの思いの深さが伝わってくる。

 ディナーは9品構成のおまかせコースで、1万8000円(税サ別、以下同)から。内容は年間6〜7回替わるが、「トラフグとロックフォールチーズ」は秋冬に定番で出される前菜だ。大きな皿にはトラフグの身を仏産ブルーチーズ「ロックフォールチーズ」と白ワインビネガーでマリネしたものと、カマのフリットが並んでおり、特にマリネは非凡な味わい。分厚く切られたトラフグの身は噛むほどに繊細な旨味が増し、その長い余韻は、浸らずにいられないほど魅惑的だ。高良氏いわく、味の原型が完成したのは約10年前で、イタリア料理のカルパッチョが発想のヒントだったとか。

「パルメザンチーズはフグの旨味に勝ってしまうので、独特の風味と旨味を持つロックフォールチーズを選びました。使う量は少しですが、白ワインビネガーの酸味によって旨味が引き立ち、余韻が生まれています」

 隣に盛られたフリットはどこか懐かしい味で、斬新なマリネと絶妙なバランス。

 2品目の前菜は、フォワグラの“パヴェ”にポルト酒のソースを添えたもの。いわゆるテリーヌだが、フランス語で石畳を意味するパヴェと名付けたのは、

「店の前のあづま通りが銀座で唯一の石畳の道で、それにちなんで石畳のような形に仕立てたためです」

 続く3品目は、黒鮑のスライスと温度卵、トリュフ、肝のソースの華麗な競演が楽しめる一品。柔らかさと噛み応えを併せ持つ黒鮑の旨味は、濃厚な肝のソースに負けないほど力強く、傍では温度卵とトリュフが妖艶な存在感を発揮している。

「素材感、ソース、付け合せという、3本の柱を整えることが今のテーマです」 

 と聞けば、なるほどと納得。メインに関しても、五島列島産スジアラのポワレと仏ジュラ地方のワインのソース、セップ茸の3本柱が、互角の存在感だ。味わえば、スジアラの身が想像を超えてしっとり、もっちりしていることに驚く。

「期待されるよりも半歩進んだ料理を作りたい」

 と語るシェフの料理に、誰もが魅了されそうだ。




©MEGUMI KOMATSU


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