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SPICE LAB TOKYO(銀座)

  • 執筆者の写真: 小松めぐみ
    小松めぐみ
  • 2020年1月2日
  • 読了時間: 3分

東京都中央区銀座6-4-3 GICROS GINZA GEMS 10F

☎03-6274-6821 営業時間:11:30〜15:00、 18:00〜22:30(L.O21:00)

無休 予算:ランチ¥3,300〜、ディナー¥8,800〜(共に税別・サ込)

https://spicelabtokyo.com



インドの凄腕シェフが指揮する

洗練の“モダン・インディアン”


 現代はあらゆるものが劇的な速さで変化する時代。料理も然りだが、遅れているジャンルもある。例えば

「日本ではフランスやイタリアの料理は最先端のメニューが提供されているのに、なぜかインド料理だけ時が止まっている印象があった」

 とインド人実業家のプリヤ&スナンダン・カプール夫妻が言うように、日本のインド料理は昭和の昔からカレー一辺倒だ。しかしカプール夫妻によると、インドでは2010年頃から“モダンインディアンキュイジーヌ”なるコンセプトが台頭し、独創的なメニューが提供されているとか。そんな“今のインド料理”を伝えたいと考えた夫妻が、4年がかりで開業にこぎつけたのが東京・銀座の「スパイスラボトーキョー」だ。

 インドから来日した2名のシェフは、両名とも高級ホテル出身の凄腕。「ジ・オベロイ・ホテルズ」グループで活躍したラヴィテジ・ナス氏(44)は、開業プロジェクトの始動後、3年かけて日本各地を巡り、食材調達のルートを開拓したという。それらの厳選食材を駆使して料理を作る総料理長のテジャス・ソヴァニ(34)は、「ジ・オベロイ」や「アマン」で副総理長を務め、コペンハーゲンの「ノーマ」でも修業した気鋭の若手。「旬の食材へのこだわりや、食材を無駄にせず使い切る精神は、インド料理と日本料理が元来もつ共通点。日本各地の季節の食材を盛り込んで作る当店のモダンインディアンキュイジーヌは、インド料理に対する日本人の固定概念を覆しつつ、ゆっくり定着していくと思う」

 と、展望を語る。

 ディナーコースは3種類あり、おすすめの「インチャンティング スパイス」(1万4300円、税別・サ込)は全8皿。一皿目は揚げたてのレンズ豆のコロッケ(クリスピーレンティ)に赤・緑・黒3色のチャツネ(ソース)を添えたもので、レンズ豆の旨みとスパイスの香りが相まった穏やかな味わいだ。総料理長の発想のヒントは、豆やココナッツなどを多用するインドの寺院料理だという。

 2皿目は、香り豊かなひと口サイズのスナック5種の盛り合わせ。いずれもインド各地の屋台料理をアレンジしたもので、例えばシソの葉の天ぷらにタマリンド(フルーツ)のチャツネとザクロをのせたものは「チャート」、わさび風味の海老をのせたひよこ豆のケーキは「ドクラ」と呼ばれる屋台料理がベースだ。

 コースには、農村の古い調理法を取り入れたものも登場。竹筒の中で蒸し焼きにした地鶏胸肉はその一例だが、トリュフクリームで和え、ローズパウダーをあしらったカリフラワーの葛豆腐を添えるなど、プレゼンテーションはエレガント。

 2019年11月16日にオープンしたばかりの55席の店内は、テラコッタ色と鮮やかな青を基調とした、ラグジュアリーな雰囲気。洗練された空間で、進化したインド料理を満喫したい。




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