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日本料理 ぎんざ古窯(銀座)

  • 執筆者の写真: 小松めぐみ
    小松めぐみ
  • 2018年8月5日
  • 読了時間: 3分

更新日:2018年8月23日

東京都中央区銀座銀座7-6-11 ミクニビル2F   ☎03-3671-9188

営業時間 11:30〜13:30LO(土曜14:00LO)、17:30〜21:30LO(土曜17:00〜20:30LO)

定休日:日曜、祝日 

コース予算:昼¥1,362〜、夜¥8,500〜(税別) 

http://www.ginzakoyo.jp

*2018年2月22日発売「週刊新潮」8号掲載

一頭買いの和牛の旨みが染みる

和風ビーフシチューを白飯と


「日本料理ぎんざ古窯(こよう)」は、山形県かみのやま温泉の人気旅館「日本の宿古窯」が1982年に開業した日本料理店。名物は山形県が誇るブランド牛「山形牛」と「米沢牛」を生かした、贅沢な和風ビーフシチューだ。日本料理店でありながらシチューを出すようになってかなり経つが、きっかけは母体の旅館が独自のルートで一頭買いする和牛を、余すことなく使いきるためだったとか。

「ステーキやすきやきには使わない部位を生かすために考案されたそうです」

 と話すのは、1年前から同店の料理長を務めている大森英作氏(60)。以前は新宿の会席料理店で活躍していたという、日本料理ひと筋のベテランだ。

「ランチタイムは9割のお客様が和風ビーフシチュー入りの定食(1362円〜/税別、以下同)を注文されます。毎日店の前に行列ができて、平均60名の方がお越しくださるんですよ。ですので、シチューは1日おきに10㌔分の肉を使って仕込んでいます。夜は少しお肉の量を増やしてご提供しており、単品(3000円)でも『シチュー膳』のコース(8500円)でもお楽しみいただけます」

 ディナーの「シチュー膳」は8品構成で、そのうち6品は旬の食材を生かした正統派の日本料理。山形県の地酒も豊富に揃えられており、マグロや鯛のお刺身、玉蒟蒻の小鉢、雲子の茶碗蒸し、鰤の照焼きなどと共に楽しめば、まるで山形県を旅しているかのようだ。

 そして7品目に登場するのが、土鍋の余熱でグツグツと煮える「和風ビーフシチュー」。使われている具材が豆腐、里芋、人参、いんげん、蒟蒻、温泉玉子と和風のためか、日本料理のコースの中に登場しても全く違和感がないが、味わいのベースはデミグラスソース。和洋折衷のバランスが独特だ。

 シチューの主役の和牛は、コロッとしたひと口サイズの塊肉が3つ。どれも柔らかいが、それぞれ微妙に食感が違うようである。

「部位ごとに脂やスジの入り方が違うんですよ。どれがどの部位とは言えませんが、モモ、スネ、ロースなどを使っています。お肉は洋食のシチューを作る時と違って表面を焼かずに煮込むので、形がなくなってソースに溶け込んでいる部位もあります」 

 様々な部位の旨みが相まったシチューは、濃厚だがしつこさがなく、やさしい味わい。料理長いわく、和牛は脂が多いため、煮込む時にこまめにアクをすくい、しつこくならないように注意しているとか。

 半分ほど食べてから具材の温泉玉子を崩せば、卵のまろやかさが加わり、味の変化も楽しめる趣向。黄身が流れ出たシチューを炊きたての山形産ブランド米「つや姫」の白飯にかければ、卵かけごはんの趣も生まれる。様々な美味しさを楽しみたい。


©MEGUMI KOMATSU

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