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築地STEAK 哥利歐(銀座)

  • 執筆者の写真: 小松めぐみ
    小松めぐみ
  • 2018年12月19日
  • 読了時間: 3分

更新日:2019年1月7日

東京都中央区銀座8-18-3 DJ銀座ビル1階 ☎︎03-3543-7214

営業時間:12:00〜23:00 定休日:第2日曜、年末年始

コース予算:¥30,000〜(税サ別) 要予約




死ぬまでに一度は食べたい

極上の但馬牛の炉窯ステーキ


 1982年創業の「築地STEAK哥利歐(ごりお)」は、食通に愛される14席のステーキハウス。重厚な家具や調度品に囲まれた店内は、新橋「麤皮(あらがわ)」の分店として創業した当時と変わらぬ、クラシックな雰囲気だ。店名は本店同様、美食家の文豪、バルザックの小説の名にちなんだもの。看板料理のステーキの肉も本店と同じく、厳選した生産者から直接仕入れる純血統の但馬牛の雌牛である。ちなみに但馬牛とは、神戸牛の素牛ともなる黒毛和種の輪牛。松本哲尚(てつひさ)料理長(48)いわく、

「特徴は赤身の旨さと甘味、独特の香りを持ち、脂の融点が低いこと。和牛は月齢28カ月ぐらいで出荷されることが多いのですが、当店では月齢36カ月前後、本店では月齢44カ月前後のものを仕入れます。月齢が長くなるほど脂が落ち着き、深みや甘みが出るんですよ」   

 部位はサーロイン、フィレ、ランプ、イチボから、焼き方は10段階から選べる仕組み。一番人気のサーロインのミディアレアを選ぶと、しばらくしてから

「こちらのお肉を炉窯でお焼きします」

 と、切りたての生肉を皿に乗せて見せに来てくれる。きめ細やかなサシが筋繊維に入り込んだ肉は2名分400㌘で厚さ3センチほど。サーロインを焼く時はこのサイズがベストだとか。

「ステーキを炉窯に入れると、窯内の輻射熱によって全方向から熱が入ります。この厚みがあると、ふっくら仕上がるんです」

 ステーキが焼けるのを待つ間に出される料理も、厳選素材を生かしたものばかり。たとえば冬なら「香箱蟹」や「フグのタタキ」といった旬の味覚に出合うことができる。

 こうした前菜を少しずつ楽しめる「炭焼ステーキコース」は、前菜3品、サラダ、炉焼温パン、温野菜、そしてステーキ、フルーツ、小菓子の全7品で3万円(税サ別)。前菜の一品として供される「自家製高温燻製サーモン」は、しっとりした身の口どけのなめらかさと、旨みの豊かさに驚く名物だ。

「こちらも当店の名物で、4〜5日かけて塩を浸透させたスコットランドサーモンを炉窯でじっくり燻製しているんですよ。週に1尾のみ燻製しています」

 ステーキの前に登場する定番「マッシュルームサラダ」も、新鮮なマッシュルームの香りが自家製ワインヴィネガーによって引き立てられた非凡な逸品だ。

 メインのサーロインステーキは深く芳醇な旨味に溢れ、小躍りしたくなるような美味しさ。全く重さを感じないのは、脂の融点が低い上質な肉の実力だろう。

「健康に育てられた但馬牛は、脂はあってもキレがよいものです」

 一年の締めくくりの晩餐にはバルザックの小説の登場人物よろしく、極上の肉に舌鼓を打ちたい。




©MEGUMI KOMATSU


次回は12月26日発売「週刊新潮」1号にて、「家全七福」の記事をお届けします

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