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虎峰(六本木)

  • 執筆者の写真: 小松めぐみ
    小松めぐみ
  • 2018年6月6日
  • 読了時間: 3分

更新日:2018年8月23日

東京都港区六本木3-8-7 PALビル1F   ☎︎03-3478-7441(完全予約制) 

営業時間17:30〜22:00最終入店 定休日:日曜

予算:コース¥12,960、お酒のペアリングコース¥8,640 サービス料10%

https://www.koho-roppongi.com    *2016年「週刊新潮」14号掲載



和洋中の酒とペアリングする

少量多皿のおまかせ中華


 2016年4月、六本木にオープンした中華料理店「虎峰(こほう)」は、おまかせコース(1万2960円)1種類のみ。とはいえ、少量多皿のコースは25品以上に及ぶ。

「仕込みは大変ですが、料理人を志望したきっかけは、自分の料理で友人や親が喜んでくれた時の嬉しさ。その気持ちを忘れずに、中華の視点で日本の旬の食材を生かし、季節感溢れる献立を組むように心掛けています。食材の持ち味を塩で生かした薄味の小皿料理から始まり、徐々に中華の要素が濃くなっていく構成です」

 という料理長の山本雅氏(31)は、東京・恵比寿の人気中華「マサズキッチン」で修業した気鋭のシェフだ。

 席に着くと、ソムリエがおしぼりを渡しながら言う。

「当店では料理を引き立てる和洋のお酒約10種のペアリングコース(8640円)をご用意しています。いかがですか?」

 注文すると、最初のお酒と料理は、シャンパンと「桃のピュレとマリネとライムシャーベット」。シャンパンと合わせて味わえば、口の中でシャンパンと桃のカクテルが出来上がる趣向だ。

   以降は「冷やし海老ワンタン」や、高温の油で「1秒だけ素揚げした白海老」など、一口サイズの料理が18品続く。オーソドックスな料理もあるが、斬新な料理も多く、たとえば4品目の「3種のチーズの冷たい粉で覆われたボタン海老のマリネ」には、ボタン海老の殻からとったフレンチのソースが添えられている。というのも山本シェフ、昨年は独立を見据え、料理の感性を磨くためにフランス料理店でも修業しているのだ。

 四川料理の定番である7品目の「よだれ鶏」がしっとり柔らかいのも、その経験によるところが大きい。

「鶏肉の繊維が硬くなる60度より1度だけ低い59度で加熱することで鶏の旨みを引き出し、しっとりとした食感に仕上げています」 

 そして「よだれ鶏」や「ピータン豆腐」は、薦められたシェリー酒と共に味わうと、ソースの余韻と響き合う。ソムリエいわく、シェリー酒は熟成による旨みや甘味が強いので、濃厚な味の料理に合うのだとか。

「甘鯛のウロコ揚げ」「蒸し鮑の肝ソース」には白ワイン、「上海風餃子」「煮穴子の春巻」には青島ビール、「フォアグラのソテーの中華風マンゴーソース添え」

「酢豚と大根餅」には紹興酒が抜群の相性。

 後半の料理は、贅沢なフカヒレ料理が白眉だ。

「1人あたり1/2枚分の気仙沼産フカヒレを使った後半の料理3品は定番です。ステーキにはXO醤ソースを添え、同じく煮込みには白湯を使い、最後は白湯に米を加えてリゾットにします」

 フカヒレステーキには日本酒、煮込みにはフランス産の白ワインを合わせる。

 片栗粉をまぶして焼いたステーキは香ばしくプリプリで、まろやかな白湯の旨みを吸った煮込みやリゾットは、至福の味わいだ。


©MEGUMI KOMATSU

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