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4000 Chinese Restaurant (ヨンセン チャイニーズ レストラン)

  • 執筆者の写真: 小松めぐみ
    小松めぐみ
  • 2020年1月2日
  • 読了時間: 3分

東京都港区南青山7-10-10 パークアクシス南青山7丁目

☎03-6427-9594(お問い合わせ時間15:00~18:00)

営業時間 12:00〜、18:30〜 定休日:不定休

コース予算:ランチ¥10,000〜、ディナー¥15,000〜(税別)



有名シェフが満を持して開業

四川料理の匠の比類なきコース


 東京・南青山の日赤通りに、昨年末、華麗なる四川料理の名店が誕生した。その店「4000 Chinese Restaurant」の代表取締役総料理長、菰田欣也氏(50)は、約30年にわたって四川飯店グループを支え続けた有名シェフ。2017年に五反田と麻布十番に開業した火鍋専門店は連日満員御礼。追い風に乗ってオープンしたのがこちらの店だ。

「選び抜いた素材を使って調理に手をかけたいので、敢えて席は少なくしました」

 と菰田氏が言う通り、32坪の店内は、重厚なカウンターの8席と個室1室のみ。ディナーコースは1万5000円(税別、以下同)から4種類あり、内容は日替わりで品数は13品〜15品。お薦めの2万2000円のコースにはフカヒレの姿煮と伊勢海老料理が供される。

 席に着き、主役の食材名だけが書かれたメニューを眺め終わると、食材をのせたトレーが運ばれてプレゼンテーションが始まる仕組み。輝くように新鮮な食材を目にして期待が膨らんだところへ登場するのは、麻辣ジュレをかけた海鮮、大判の佐賀牛の焼きしゃぶ仕立て、北海道産牡丹海老の紹興酒漬けを盛り合わせた贅沢な前菜だ。壺のような器に入った2品目のスープはさらに豪華で、焼松茸やナマコ、天日干しの浮き袋などの高級食材や、とろけるような食感をもつ入手困難な天然の蓮の実がたっぷり。そして、熱いスープの目くるめく芳醇さに圧倒される。

「清湯は様々な工程を重ね、蒸して作っています。小規模だからできる料理ですね」

3品目は、枝豆や慈姑(クワイ)の食感が楽しく、トウモロコシベースのソースの優しい甘みに気持ちが和む「海老団子」。以降の「仙台牛A5ヒレ肉のロースト」や「葱とずわい蟹をのせた青森県産鮃(ヒラメ)」なども、素材の味を生かした味わい。四川料理としては意外なほど穏やかだが、菰田氏いわく

「四川料理は辛いと思われがちですが、辛くないものも多いんです」

メインの「フカヒレの醤油煮込み」も然りで、太い繊維の1本1本にスープの味が染み込んだ毛鹿鮫の尾ビレは、甘美なまろやかさだ。

「上にのせたウニと一緒に味わうと、いっそうまろやかになりますよ。甘い香りの正体は、甕出し紹興酒の8年物を煮詰めたものです」

豆豉(トウチ)ソースを絡めた「伊勢海老のオーブン焼き」はほどよくスパイシーで、点心師が作る「小籠包」は、群馬県産“くちどけ加藤ポーク”の甘み溢れる肉餡を繊細な皮で包んだ逸品。3種類から選べる〆の食事のイチオシ「回鍋肉」は、“十勝ロイヤル マンガリッツァ豚”の皮付きバラ肉の食感が絶妙だ。

「この豚は昨年7月に出荷が始まったばかり。脂の融点が低いので弱火でゆっくり炒めて作っています」

 一皿ごとに肉の銘柄も使い分ける巨匠の繊細さは、デザートの素材選びにも貫かれている。




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