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O2(清澄白河)

  • 執筆者の写真: 小松めぐみ
    小松めぐみ
  • 2018年8月12日
  • 読了時間: 3分

更新日:2018年8月22日


東京都江東区三好2-15-12 峯岸ビル1F  

☎03-6458-8988(予約は1カ月前から受付。予約受付13:00~17:00) 

営業時間:18:00〜23:00LO   定休日:月曜日(臨時休業あり)

コース予算:¥5,000〜(税別)

※21時以降アラカルト可

*2018年5月24日発売「週刊新潮」20号掲載


清澄白河に誕生したモダン中華

名物は焼き立て叉焼とフカヒレ


 東京・清澄白河の一角に2018年3月16日に開業した「O2(オーツー)」は、鮮やかなネオンサインとガラス張りの外観が人々の目を引く中華料理店。カウンター6席とテーブル8席から成る店内にも中華らしい要素は皆無だが、店主の大津光太郎氏(36)は“ヌーベルシノワ”の先駆者、脇屋友詞氏の下で修業を積んだ料理人だ。

 地元で独立した現在作っているのも、上海料理にフランス料理の要素を取り入れたヌーベルシノワ。だが、価格は実に庶民的だ。

「コースは5000円(税別、以下同)が基本ですが、プラス5000円でメインが『上海風フカヒレの姿煮込み』になります。大きなフカヒレを下町ならではのお得な価格でお出ししますので、是非お試し下さい」

 コースの内容は月替わり。5月の最初の一品は、殻付きボタン海老の紹興酒漬けと5種の野菜の盛り合わせだ。新鮮なボタン海老は紹興酒によって身の甘みが引き立てられ、ひと口で頬が緩む味わい。野菜の方も、ズッキーニのソテーには山椒とマスタード、茄子の揚げ浸しには台湾醤油と、それぞれ異なる味付けが楽しい。

 2品目の叉焼は、焼き立ての熱々。染付けの小皿に盛られた分厚い短冊形の叉焼は旨み豊かで、さらりとした脂の甘みが心地よい。

大津氏いわく、

「叉焼は焼き立てが一番。ですから、お客様が入店した時にオーブンに入れ、ベストな状態の時にお出ししています。小さな店だからこそできるシステムです」

 3品目の「中華風初鰹のタタキ」にはピンクグレープフルーツが合わせられていて、鰹との意外な相性の良さに驚きがある。

「発想のヒントは、修業先の店で出していた、油林鶏とピンクグレープフルーツの料理です。油林鶏のソースと鰹のタタキの薬味の材料は同じなので、鶏を初鰹にアレンジしてみました」

 薬味の材料は、ショウガ、ニンニク、赤タマネギ、みょうが、ディル。和洋の香草のハーモニーと柑橘のほろ苦い甘さが、ヌーベルシノワらしく洒落ている。


「春キャベツと桜海老の春巻」などの季節感溢れる料理を挟んで登場する6品目は、極太の仏産ホワイトアスパラガス。一見フランス料理のようだが、添えられているのは汲み上げ湯葉と卵黄、そして醤油ベースの山椒のソース。和洋中の素材を自然に組み合わせるバランス感に、センスが光る。

 メインの「上海風フカヒレの姿煮込み」には、

「半分食べたらご飯を混ぜて召し上がって下さい」

 と、炊き立てのご飯が釜ごと出される。フカヒレは1人前100㌘と圧巻のサイズで、とろみのあるスープは芳醇な味わい。フランス料理のソースをパンでぬぐうように、ご飯にスープを吸わせて味わいたい。


©MEGUMI KOMATSU

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